Astro v5.16.7のエンコード処理改善と体感速度の変化
▼ 目次
Astro v5.16.7 で入った変更(PR #15123)について、 特にエンコード処理の改善が体感速度にどう効いてくるのかを整理します。
ざっくり何が変わったのか
今回の変更は、Astro が HTML を生成して送る際に行うエンコード処理の部分が主な対象です。 Astro は SSG/SSR どちらであっても最終的にサーバー側で HTML を生成し、クライアントに送る流れになります。 この生成・送信の途中で、「送信に適した形へ変換するためのエンコード」が行われています。
エンコード処理とは何をしているのか
Astro では .astro ファイルをサーバー側で取り込んで HTML に変換し、
ネットワークで送れる形に整形します。
このとき、HTML の各断片を エンコードしてバイト列として送信する必要が出てきます。
特に SSR ではストリーミングに対応しているため、
- ヘッダーやフッターなど軽い部分は先に送信
- API 取得など重い部分は後から送信
という流れで「小さな HTML 断片を順番に送る」設計になっています。
これまでの課題: 小さな断片を逐次エンコード
従来は、たとえば H1 タグのような小さな断片ごとに、
- タグを取り出す
- その断片をエンコードする
- 送信する
という処理を毎回繰り返す形でした。
しかしこの方式だと、CPU キャッシュの扱いが悪くなります。 小さな断片を一つ処理するたびにキャッシュが無効化され、 次の断片でまたキャッシュを書き換える、という負荷が繰り返されるためです。
改善点: まとめてエンコードする方向へ
今回の変更では、この「断片ごとの逐次エンコード」を見直し、 よりまとまりのある形でエンコードする処理に改善されています。
結果として、送信開始は一つずつの方が早い可能性はありますが、 最終的な HTML 生成完了やページ描画の体感速度は改善される流れになります。
特に「大量の HTML を生成する必要があるプロジェクト」では、 最終描画の完了が以前より早くなることが期待できます。
体感としてはどう変わる?
この改善の影響は、ざっくり言うと以下のような感覚です。
- 小さく送る開始タイミングは若干遅れることもある
- しかし、ページ全体の完成が早い
- 結果的に、ユーザーが「完成した」と感じるまでが短くなる
感覚としては、体感速度が半分くらいに感じられるケースもある、というのが今回の変更のポイントだと思います。
まとめ
Astro v5.16.7 では、エンコード処理の改善により 最終的な HTML 生成と描画までの時間が短縮される方向に進化しています。
特に SSR で大量の HTML を扱う場合ほど、この改善の恩恵は大きくなりそうです。
今後、SSR やストリーミングを多用するプロジェクトでは より「完成の体感が早い」ページ体験を狙えるようになります。
Astro の内部改善がこういう形でユーザー体験につながるのは面白いですね。